昔は最高のガジェットは日本発でした。
新しいガジェットと言えば、昔は日本のメーカーの独壇場でした。
カタログを見る度にワクワクする、新商品が紹介される雑誌を見る度に、いつ発売になるか指折り数える。
そんな思い出もかなり昔のこととなりました。
SONYウォークマン
今では、新しいガジェットは欧米から。
しかもクラウドファンディングで、新機軸のものが登場してくる。
「こういう商品があればいいな」と思っていたものが、「ほぼ」現実的に開発される。これがクラウドファンディングです。
私が好んで使うのが、Kickstarter(キックスターター)とIndiegogo(インディーゴーゴー)。
Kickstarter
https://www.kickstarter.com/
Indiegogo
https://www.indiegogo.com
ともにクラウドファンディングでの大手サイトです。
イメージとして、盤石に近い商品プレゼンテーションやコンセプトを持つのがキックスターター。
危なっかしいプレゼンテーションで、少し実現性に不安があるものがインディーゴーゴーです。
私は過去に20件以上「投資」していますが、Indiegogoでだいたい3割の負け。
Kickstarterで1割の負けです。
ちなみに、よく間違える人がいますので、説明しますが、クラウドファンディングは「通販」ではありません。製品化をしたいという開発者の夢に対しての「投資」です。ひたすら量産化まで時間がかかりますが(私の中で最高が3年)、気長に待ちましょう。
ある日突然、海外から荷物が届きます。
さて、私の言う「負け」とは、そもそも商品化できず、お金が返金されないもの(最悪パターン)や商品化されて受け取りはできたものの、プロトタイプの画像や紹介動画とは全く違うレベルの低い商品というものです。
最悪パターンはそれほど多くないのですが、粗悪品というのはかなり経験があります。使用したら1ヶ月も経たないうちに壊れる、そもそも部品がもろい、などなど堅牢な日本製品を使っている日本人としては信じられないクオリティも多いです。(Made in Chinaが多いです)
勝ちも負けも含めてクラウドファンディングのおもしろさ
先ほど触れたように、クラウドファンディングは、商品に対してお金を「払う」のではなく、商品化の「夢に投資する」という類のものです。
ですから、失敗はつきものです。
ベンチャーキャピタルでさえ、10社投資したうちの1社上場すれば儲けものです。プロの商品企画担当者でさえ、100個商品化しても、長年残るロングラン商品は1〜2個あればいい方なのです。
これがクラウドファンディングのおもしろさですね。
夢に投資するって、楽しいじゃないですか。
最近日本でもクラウドファンディングサイトは相当増えてきていますが、日本企業らしく非常にまじめな企画が多く、「ほぼ大量生産間近」の完成された商品が多いのは少しばかりドキドキ感がないですね。
これ本当に商品化できるの?
この紹介動画よくできているけど怪しくない?
これが実現できれば業界変わるよね?
こんな考えが浮かびながらも投資してしまうのが、クラウドファンディングのおもしろさです。
立体的に聞こえる3Dヘッドフォン
(画像引用元:https://www.ossic.com/)
OSSIC X:「初めての」3Dオーディオヘッドフォン
「初めての」・・・いいですねぇ。
こういう響きこそ、クラウドファンディングの商品です。
音楽が立体的に聞こえ、映画のサウンドも生々しく聞こえ、音が分離する、というコンセプトです。
まずは動画を見てください。
1分くらいからのテストユーザーの驚く姿。
これだけで投資したくなりませんか?
マーケティング的に言えば「具体性」「好奇心」「期待」が喚起される動画ですね。
しかも、「社会的証明」である大手メディアでの掲載例。
(画像引用元:https://www.ossic.com/)
ここまで掲載されていると、リアリティが出てきます。
(たぶん、プロトタイプのない状態で記事にされていることも多いと思います)
たたみ掛けるのが、それぞれの利用シーンの短い動画です。
(画像引用元:https://www.ossic.com/)
VRと一緒にサウンドが立体になるようです。
(画像引用元:https://www.ossic.com/)
ゲームのサウンドが立体になるようです。
(画像引用元:https://www.ossic.com/)
映画のサウンドの臨場感が高まるようです
私はゲームは大嫌い、テレビも大嫌いです。
そのような私でも、趣味利用で十分期待できる商品に「見えた・思えた」ところが、OSSICのマーケティングチームの術中にはまった、ということなのでしょう。
ここまで期待させてくれれば、「負け」でもよしとします。
好奇心、期待感だけで購入させるクラウドファンディング。
マーケティング的には二重丸です。
ちなみにこのOSSIC Xは1万人以上の投資メンバーと3億円以上の資金が集まっています。
大成功ですね。