ガジェットが好きで、毎日いろいろなメディアをチェックしていると「〇〇という会社が新しいスマホを開発してるようだ」というような情報を目にすることが多々ありますよね。
これは、スマホが普及した今となっては”普通のスマホ”を作っているだけでは生き残れない為、開発競争が加速しているからだと思います。
ASUSやFreetelなどのように低価格路線に進むのか、それともHUAWEIのように他企業とコラボしてプレミアムモデルを開発するのか・・・・・多くの企業がいずれかの路線への選択を迫られています。
そして、こうした開発中のスマホやガジェットのプロジェクトがポシャってしまう事も多々あります。
プロジェクトがポシャると言えばスタートアップや中小企業のイメージが高いと思いますが実は大手企業でもよくある事なのです。
今回はその中でも超大手IT企業、GoogleのProject Araについて紹介します!
Project Araとは
プロジェクト公式ページ:https://atap.google.com/ara/
そもそもProject AraとはGoogleが「ハードウェアもオープンソースなAndroidスマホを作ろう!」という事で始めたプロジェクトでした。
しかも、ベースとなるフレームだけを用意してあとはユーザーが自由にモジュールを組み合わせて自分の好きな端末に組み上げられるというモノでした。
分かりやすく言えば自作スマホみたいな感じですね。
これがAraのプロトタイプです。
真ん中にあるのがベースとなるフレームです。
ここに周りにあるパーツを自由に組み合わせて自分の好きな端末を作れるわけですね。
計画の初期段階ではディスプレイ・CPU・メモリ・ストレージ・カメラなどスマホを構成するパーツの多くが交換できるようになっていました。
今までのスマホだと「数年使っていて古くなってきたから買い替える」というサイクルが主流でしたがAraであれば「数年使って遅くなってきたからCPUだけ変えるか」とか「カメラの画質をもっとよくしたいからカメラだけ変えよ!」というような事が出来てしまうわけです。
もの凄く画期的なスマホですよね!
このProject Araは2013年に大々的に発表され多くのガジェット好きからも期待されていました。
大々的に報道もされたので知っている人もいるのではないでしょうか?
価格も$50~という事が謳われていて物凄く魅力的だったのです。
ちなみに2013年当時は2015年中の発売が予定されていました。
発売延期
多くのガジェット好きがAraの発売を心待ちにしていたのですが突如として”発売は2016年以降になる”というリリースが発表されました。
理由としては「スマホ本体を落とした時にモジュールがバラバラになってフレームから取れてしまう可能性があるから」だそうです。
フレームとモジュールは磁石でくっつける方式だったようですが・・・・・「落としたらそりゃ取れるでしょ」と僕は思わずにはいられませんでした(笑)
どうしてGoogleの人たちはこの事について今更気が付いたのか謎ですね。
そして2016年になります。
2016年の5月に開かれた「Google I/O(開発者向けイベント)」で開発者向けのAraを2016年の秋、一般販売は2017年というリリースが行われます。
このイベントでは実機のプロトタイプもお披露目され「いよいよ発売か!」と思われていました。
構想と現実のギャップ、プロジェクト凍結
2016年にプロトタイプが発表された際にAraは大幅に仕様が変更されていました。
2014年の構想では“ほぼ全て”のパーツがモジュール形式で交換可能だったのが2016年のプロトタイプではカメラやストレージくらいしか交換できない仕様になっていたのです。
全てのパーツをモジュール化するのが技術的に難しかった事が原因のようです。
ただ、こうなってしまうとモジュールで変えれるのはカメラとストレージくらいになってしまいます。ストレージなんてSDカードを差し替えれば今のスマホで出来てしまいますよね・・・・・
つまり、Araの存在意義自体が薄れてしまったわけです。
そんな事からプロジェクトの存在自体が危ぶまれるようになります。
というかそもそも多くのガジェット好きからも忘れ去られるようになります(笑)
また、2016年も後半になるにつれて「GoogleはProject Araを凍結するのではないか」という噂が流れるようになります。
そして、最終的には2016年9月にGoogleがProject Araの凍結を発表しました。
なぜAraはポシャったのか
Googleから正式な発表がないのでなぜProject Araがなぜ凍結されたかはよくわかりません。
ただし、噂話を統合すると“技術とコスト”が問題だったようです。
当初の計画のように全てのパーツをモジュール化し、交換可能にするのには技術的にも難しかったようです。
最終的なプロトタイプではモジュールのホットスワップも可能だったようですがCPUやメモリなど主要パーツをホットスワップするのは相当難しそうですもんね。
また、モジュール化した際にモジュールの製造コストが高かったのも原因のようです。コストが上がれば当初の計画にあった$50での販売も難しくなりますよね。
これらの理由からGoogleは最終的にProjectを凍結させたようです。
大手企業でもポシャる
このようにGoogleのような優秀なエンジニアが多数いる企業でもプロジェクトがとん挫してしまう事があるのです。
先進的な事や他の企業がまねできないような製品やサービスを提供するのはかなり難しいという事がよくわかる例だと言えますね。
それにしてもガジェット大好き人間の僕からしたらAraは製品化して欲しかったですね(笑)