Q:
マーケティング2.0について教えて!
A:
顧客志向のマーケティングです。
時代の変化に伴い、マーケティング1.0から変化した考え方ですね。
背景としては、
・経済成長に伴う競合の増加や製品の供給過多、
・消費者の目がこえてきた事、
・商品やサービスに対する欲求レベルがあがった事、
などが考えられます。あとは、
・情報技術に関する変化が起こったことが大きいでしょうか。
競合が増えて競争の原理が働きだすと、
これまでのような「自社の技術で何を作ればいいか」という考え方では、
商品やサービスが売れないと言う状況が生まれます。
各社は「消費者は何を望んでいるのか」という考え方をしなければ、
こうした競争に勝てないようになったという事です。
つまり、これまでの商品・サービス開発のプロセスとは真逆の構造になったわけです。
少し大げさかもしれないですが、下図はこれまでの開発プロセスを大枠で図式化したものです。
「自分たちは何ができるのか」から始まる考え方で、シーズ発想ですね。
次に、下図はこれからの開発プロセスとして求められるものです。
矢印の向きを見て頂ければご理解頂けるかと思います。
「消費者は何を望んでいるのか」から始まる考え方で、ニーズ発想ですね。
消費者のニーズに対して、自分たちがどうあるべきかを考えること。
これが、顧客志向のマーケティング(※マーケティング2.0)と言えます。
ちなみに、マーケティング2.0では、1.0の時の「4P」の考え方の下図のように変わります。
「4C」と表現されます。
消費者にとってどんな価値が提供ができるのか、
どのチャネルにあれば便利か、
どんなコミュニケーションがよいか、と言ったまさに顧客志向の考え方となります。
いかに消費者を詳細に理解できるかがポイントなると思います。
※「消費者は何を望んでいるのか」を理解する方法は、マーケティングリサーチの記事でまとめます。ご期待下さい!
また、マーケティング2.0への変化で外せない情報技術についても少し。
POSシステムやID-POSシステムと言われるものです。(※POS: Point Of Sales 販売時点情報管理のこと)
スーパーやコンビニにあるレジですね。
こうした販売時点での情報管理ができるようになった事で、
これまで以上に深い消費者理解を行うことができるようになりました。
このPOSシステムでは小売店の実売データ(いつ・どこで・何が・いくらで・何個売れたのか)を収集します。また、それらのデータと消費者が持つポイントカード等のID情報を連携させる事で「誰が・いつ・どこで・何を・いくらで・何個買ったのか」を把握する事が出来るようになるわけです。
これらのデータを統合的に分析することで、
「この商品を買う人は、こんな価値観を持った人である」といった深い消費者分析まで可能になり、
他社との差別化要素としてマーケティングの中心になったということですね。
普段の買い物を思い浮かべてみてください。
店舗のレジを通る際に、各種ポイントカード等を掲示する事で、
・そのカードに登録されているID情報として消費者データが、
・それと同時に商品をスキャンする事で販売データが、
それぞれ収集・蓄積されます。
このデータを各社メーカーは利用してマーケティングに活用しているのです。
皆さんの「そうそう、こういうのが欲しかったんだ!」の背景には、
消費者の皆さんを徹底的に理解しようとするメーカー側の努力があるんですね。
そんな事を頭の片隅に入れて、商品選びをしてみてはいかがでしょうか?
次回の[たすログ]Q&A~vol.4~では【マーケティング3.0】について書きたいと思います。
次回をお楽しみに!!